22.電気軌道総合試験車ってなに。歴史とJR東海ドクターイエローとJR東イースト・アイ

  新幹線を安全、安定的に運行させるために様々な地上設備がありますが、車両の走行安全性、性能に直接影響する設備を点検するためには、地上からの点検以外に実際 の営業運転と同じ速度、条件で車両を走らせて動的に行う検査が必要で、また高速で走行すれば検査時間の短縮にもなるため、事業者は営業車とは異なる専用の計測・試験用車両を持つのが一般的です。
  検査は、おもに電気関係と軌道関係に分けられますが、それぞれ電力・信号・通信・電車線などの電気関係の検査は電気試験車が、軌道関係の検査は軌道検測車が受け持ちますが、これらを1つの編成にして効率よく検査できるようにしたのが電気軌道総合試験車です。
新幹線の開業当初は電気試験車(T1)と軌道検測車は別々で、それぞれ独立あるいは連結して編成にして検査していましたが、昭和50年の山陽新幹線博多開業を控えて、検測距離が延びることからより効率的な検査ができるようO系新幹線電車をベースとした電気軌道総合試験車(T2編成)が昭和49年に初めて導入されました。
  現在、検査は約10日毎に行われ、新幹線の設備を検査し安全運行に寄与していることとその車体の塗装が黄色であることから「ドクターイエロー」と呼ばれています。

1. 検査、計測項目

  電気関係と軌道関係の主な測定項目は次の表の通りです。
部門主な測定項目
電気関係電車線トロリ線の偏位、高さ、摩耗、支障物検知、支持角位置、離線、集電状態観測
電力架線電圧、電流
信号軌道回路、電流レベル、軌道回路電流の信号周波数、信号種別、
帰線不平衡電流、地点検知車上子の周波数特性、列車検知用軌道回路電流レベル
通信列車無線雑音、電界強度、電波切替地点、列車無線接続率、明瞭度、了解度
軌道関係軌道軌間、高低、通り、水準、高低変化、通り変化、輪重(P)、横圧(Q)、軸箱振動加速度、列車動揺

  軌道関係の測定項目の軌道狂いとは次のようなものです。

軌間:左右レール間の距離高低:左右各レールの垂直方向のずれ
(10m弦での中央部のずれ)
通り:左右各レールの水平方向のずれ
(10m弦での中央部のずれ)
水準 :左右レールの垂直方向の高度差 平面性:水準の変化率  
 


2. 検査、計測用車両

(1) 軌道検測車

○921-1号車
  昭和39年10月に開業した東海道新幹線の建設に際し、主体工事が土木工事から軌道(線路)の工事に移行するに従い、軌道が正規に敷設されているかを確認し、不具合の箇所は手直しする必要が生じ、昭和37年6月に旧形客車を改造した4000形4001と いう1両構成の軌道検測車が試験線に投入されました。開業後は、車体の色が警戒色の黄色と横にブルーの帯という、後の「ドクターイエロー」色に塗られ、最初の軌道検測車を示す921形の1番(921−1)となりました。
  この車両はディーゼルエンジンを搭載しており、自車の電源供給が可能で構内移動程度の低速での自力走行が可能でしたが、本線では922形電気試験車または最高速度160km/hの911形ディーゼル機関車にけん引してもらう必要があるため、 160km/hという走行速度や営業列車に影響を与えないため検測が夜の保守時間帯になるなどの運用面で制約がありました。
  この921-1は被けん引走行自体は200km/h以上での走行が可能だったため、昭和53年5月に東北新幹線の先行試験区間であった小山試験線に961形新幹線試作電車と共に投入され、地上設備監査、速度向上試験等に利用され、試験が終了した55年に廃車解体され ました。

○921-2号車
  昭和39年の東海道新幹線開業に合わせて921-1号車とは別に、マロネフ29形客車を改造した921-2号車が投入されました。1号車の予備という位置づけで、外観は1と余り変わりませんでしたが、自走できず、検査項目も少なくなっていました。 昭和50年末に廃車、昭和51年8月に浜松工場の廃車解体設備稼働開始時に解体されています。

○921-11号車
  後述の、T2編成(922-10番台)電気軌道総合試験車に組み込まれた車体長17.5m(連結面間)3台車タイプの軌道検測車です。


○921-21号車
  後述の、T3編成(922-20番台)電気軌道総合試験車に組み込まれた車体長17.5m(連結面間)3台車タイプの軌道検測車です。


○921-31号車
  後述の、S1(925-0番台)電気軌道総合試験車に組み込まれた車体長17.5m(連結面間)3台車タイプの軌道検測車です。


○921-41号車
  後述の、S2(925-10番台)電気軌道総合試験車に組み込まれた車体長17.5m(連結面間)3台車タイプの軌道検測車です。921-31号車と同じです。


○921-32号車
  北陸新幹線建設に対応するため、営業車の226-63の廃車を転活用して改造した、車体長25m(連結面間)2台車タイプの検測車です。S1編成やS2編成に組み込まれた3台車タイプの検測車を置き換えて運用されました。



(2) 電気試験車

○T1編成(922-0番台)
  国鉄時代の昭和37年に東海道新幹線用の車両等の各種試験をするために先行完成した鴨宮モデル線(綾瀬-鴨宮37km)という試験線に2両(2M)のA編成(1001,1002)と4両(4M)のB編成(1003,1004,1005,1006)の2編成 が投入され、様々な試験が行われました。
  昭和39年10月1日の東海道新幹線開業を控え、A編成は8月に救援車の941形に、B編成は9月に922-0形電気試験車(T1編成)に浜松工場で改造されました。
  T1編成は開業後初代ドクターイエローとして東海道新幹線の安定輸送を支えるのに貢献しましたが、昭和49年10月のT2編成(922-11)投入に伴い引退し、昭和50年末に廃車、昭和51年8月に浜松工場の廃車解体設備稼働開始時に解体されました。




  主な諸元
電気方式交流  25,000V  60Hz
形式 922-1922-2922-3 922-4
検測内容等信号・通信測定 電気測定資材車電気測定
主な設備信号検出架
信号測定盤
通信測定盤
パンタグラフ観測台
観測ドーム
洗面所
特別高圧室
電車線測定装置
変電用測定台
集電パンタグラフ
測定パンタグラフ
25KV引通線
テレビカメラ、投光器
25KV引通線
テレビカメラ
救援復旧用機材
洗面所
特別高圧室
電車線測定装置
パンタグラフ観測台
信号検出架
集電パンタグラフ
測定パンタグラフ
25KV引通線観測ドーム
車体寸法長さ 24.75m(最大)25m(連結面) 24.75m(最大)
3.38m
高さ3.95m
台車中心間距離17.5m
台車軸距 2500 mm
車輪径910 mm
主電動機出力 170 kW
歯車比29 : 63= 1 : 2.17
力行制御方式低圧タップ制御・界磁制御
ブレーキ制御方式ATC制御および手動制御発電ブレーキ
ブレーキ方式SEA発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ


(3) 電気軌道総合試験車

○T2編成(922-10番台)
  昭和50年の山陽新幹線博多開業を控えて、検測距離が伸びること、T1編成では走行が保守時間の夜間に制限されること等から営業速度210km/hで走行、検測可能な0系16次車をベースにしたT2編成が昭和49年10月新製、投入されました。
  6両編成の電気試験車の5両目に付随車の軌道検測車を組み込み、7両編成とした初めての新幹線電気軌道総合試験車であり、この編成の投入によって昼間の営業時間帯に営業速度と同じ速度で電気と軌道の地上設備を総合的に検測する体制が確立されました。
  約10日毎に東京−博多間を3日かけて1往復していましたが、平成12年10月に新ドクターイエロー923系T4編成が新製、投入されたため、平成13年1月27〜29日の運転をもって最終定期検測運転となりました。 平成13年10月に廃車になっています。

○T3編成(922-20番台)
  昭和49年に投入されたT2編成の台車検査や全般検査といった車両検修時や検測装置の検修時、その他何らかの異常時においても10日毎の検測を安定して行うために、T2編成と同一の機能を持つT3編成が0系27次車をベースに昭和54年11月新製され、2編成での運行体制が確立されました。
  製造年次が違うので窓等外見は異なりますが、性能等はT2編成と同様です。


  主な諸元
電気方式交流  25,000V  60Hz
構成7両編成 6M1T
編成T2編成 922-11 922-12922-13922-14 921-11922-15922-16
T3編成922-21922-22 922-23922-24921-21 922-25922-26
車体寸法長さ 25.15m(最大) 25m(連結面)17.5m(連結面) 25m(連結面)25.15m(最大)
3.38m
高さ3.975m
車体鋼製
台車中心間距離 17.5m(921は5m)
台車方式 車体直結方式
軸距2500mm
車輪径910mm
主電動機出力 直流直巻電動機 連続定格出力185kW/個 自己通風式
歯車比29 : 63= 1 : 2.17
電車性能最高速度210km/h 編成出力4440kW
集電装置菱形パンタグラフ(3台/編成)
制御方式低圧タップ切換段制御
ブレーキ制御方式ATC制御および発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安装置2周波ATC方式


○S1編成(925-0番台)
  東北、上越新幹線の開業前の地上設備監査、総合監査、雪害対策試験、設備保守等を実施するため、昭和54年10月30日、後のS1編成となる7両編成の925形電気軌道総合試験車が仙台車両基地に先行搬入されました。 この車両は同12月11日から雪害対策試験等を行うために工事が先行していた仙台車両基地〜北上間の総合監査(入線・架線試験、速度向上試験等)に使われ、 その年の冬には東北新幹線一関〜北上間を中心に、55年冬には東北新幹線仙台車両基地〜盛岡間で行われた雪害対策試験に年度末まで使用されました。
  その後、上越新幹線に回送され、57年6月からは、大宮-越後湯沢間の総合監査に使用されました。監査終了後は一部改造され、電気軌道総合試験車S1編成として長く活躍してきましたが、平成14年4月10日廃車されました。

○S2編成(925-10番台)
  後のS2編成となる6両編成の962形試作電車は東北、上越新幹線の先行試験区間として建設された小山試験線に昭和54年1月13日に搬入されました。昭和53年5月に同区間に投入された961 形試作電車が全国新幹線網対応として昭和48年に製作されたのに対して、962形は東北・上越新幹線電車の量産先行試作車としての役割を持ったもので、この2編成で騒音・振動等の環境対策、保安度向上・異常時対策、高速走行性能等の新幹線の将来に備えた性能確認等が 昭和55年6月6日の試験線における試験終了まで行われました。
  次にこの車両は昭和55年11月5日からの上越新幹線長岡〜新潟間の総合監査に投入され、その後12月16日からは同新潟車両基地〜長岡間で始まった雪害対策試験に使用されました。
  東北・上越新幹線開業後の昭和58年1月には925形電気軌道総合試験車(S2編成)に改造されましたが、この編成はその後も、同年9月からの240km/h長期走行試験、昭和59年10月からの260km/h高速走行試験に使用され、昭和60年10月には小山時代に出した261km/hを上回る272km/hを達成、 これらの高速走行試験や長期走行試験時に行われた長波長軌道狂い設定試験等を通じて新幹線の高速走行性能向上に大きく寄与ました。
  その後、本来業務に戻り、途中長野新幹線対応として200系226-63を種車に改造した2台車式の921-32新検測車が組み込まれるなど変化はありましたが、ドクターイエローとして長く活躍してきました。
  しかし、次世代のE926形電気軌道総合試験車「イースト・アイ」の登場と共に平成15年1月25日に廃車されています。



主な諸元
構成7両編成 6M1T
電気方式交流 25,000V  50Hz
編成S1編成 925-01 925-02925-03925-04 921-31(32)925-05 921-06
S2編成925-11925-12 925-13925-14 921-41(32) 925-15921-16
車体寸法長さ 25.15m(最大) 25m(連結面)17.5m(連結面)
32は25m
25m(連結面)25.15m(最大)
3.38m
高さ4.0m
車体鋼製
台車中心間距離 17.5m(921-31,41は5m 921-32は17.5m)
台車方式 車体直結方式
軸距2500 mm
車輪径910mm
主電動機出力 直流直巻電動機 連続定格出力 230kW/個 自己通風式
歯車比29 : 63= 1 : 2.17
電車性能 最高速度210km/h 編成出力 5520kW
集電装置菱形パンタグラフ(3台/編成)
制御方式不等6分割サイリスタバーニア連続位相制御
ブレーキ制御方式ATC制御およびチョッパ式発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置2周波ATC方式


(4)次世代電気軌道総合試験車

○923形電気軌道総合試験車「新型ドクターイエロー」 Dr.YELLOW
  ドクターイエローT2編成の後継車としてJR東海が700系をベースに製作した電気軌道総合試験車
  昭和62年のJR移行の時に、T2編成はJR東海に、T3編成はJR西日本に所属することになり、2編成での交互運用による東京〜博多間の一括検測を行っていました。
  しかし昭和49年に投入されたT2編成は新製後25年以上が経過し、車両の老朽化、計測機器の陳腐化が進み、また0系の性能では300系、700系中心の270km/h運転ダイヤに制約を与えること、 0系が引退し0系編成のT2を持ち続けることは車両検修上非効率なことから平成10年6月に新しい電気軌道総合試験車の新製が決定され、車両と検測装置の開発を進め、平成12年10月に新型車両が完成しました。
  1号車が電力と信号、通信関係、4号車が軌道関係の測定車両で7号車には添乗者が乗り込めるスペースを設け、測定台は1、4号車に集中配置しました。軌道の検測は従来3つの台車を利用してそれらの相対変位から軌道狂いを計測していましたが、T4ではレーザーを基準線として狂いを算出する方式とし、台車も一般車と同様の2つに削減しました。
  架線測定ではトロリー線に当てたレーザー線の反射波によって離線や摩耗状態などを調べますが、レーザーの照射回数を増やすことで測定間隔も58mmから50mmに短縮、精度も向上しました。
  このほか、先頭車に新たに監視カメラを設置し、前方の線路状況を把握できるようにしたり、車両天井から測定用パンタグラフの挙動を目視できる観測ドームを設けることなどで検測項目を60から70に拡大し、各種機器を着脱式にしてメンテナンスを容易にしたり、操作機器の配置を人間工学的見地から見直して検測スタッフの疲労を軽減するなどの配慮も施されています。
  平成12年10月19日から平成13年夏まで車両性能と検測性能確認のための試験走行が実施され、平成13年9月3日から運用が開始されました。 検査の周期延長や時間短縮が期待されています。
  0系ベースのT3編成で計測していたJR西日本も、その老朽化や速度の制限から平成17年に新たに923-3000番台のT5編成を投入しました。基本性能等はT4編成と同じです。



T2編成と新しいT4編成の検測性能等の比較は次のとおりです。
検測内容 T4T2
検測速度270km/h 210km/h
軌道検測方式 2台車式
レーザ光線基準
3台車式
車体基準
前方監視あり なし
慣性測定あり なし
電車線摩耗/偏位 走査回数 1500回/秒 1000回/秒
測定間隔50mm毎(270km/h) 58mm毎(210km/h)
電車線高さ方式レーザ光 パンタ枠角度から算出
精度精度±5mm精度±10mm
離線測定方式CR方式 クランプメータ
変電高調波あり なし
信号軌道回路信号状態 50m毎(270km/h)20m毎(210km/h)
トランスポンダ信号状態あり なし
通信防護無線雑音レベル ありなし
構内無線受信電界強度あり なし

  T4編成の主な諸元は次のとおりです。
構   成 7両編成  6M1T
電気方式交流25000V 60Hz
形   式 923-1923-2923-3 923-4923-5923-6 923-7
種   別 M1CM'M2 TM2M' M1C
主な機器 CI CompMTrCI・CI CompCI・CIMTr CI Comp
主な計測装置等  測定用パンタ観測ドーム 軌道検測台車観測ドーム測定用パンタ  
主な用途 信号・通信関係
変電所状態
電車線関係
電力関係
集電状態
トロリ線摩耗
電力データ処理
測定用電源
便所・洗面所
軌道関係
軌道データ処理
多目的試験
測定電源装置
便所・洗面所
電力関係
高圧室
ミーティング室
信号関係
添乗車室
空車重量44.3 46.543.644.445.7 44.1 41.7
車体寸法
(mm)
長さ 先頭車27,350(最大) 中間車25,000(連結面)
3,380
高さ 3,650
最高運転速度270km/h
車体構造アルミニウム合金製中空押出形材
台車 方式 空気ばね車体直結・ボルスタレス方式 コイルばね・円筒積層ゴム併用軸箱支持装置
軸距 2500mm
車輪径860mm
形式TDT204 TDT204TDT204 TTR8001TDT204 TDT204TDT204
主電動機 三相誘導電動機 連続定格出力275kW
集電装置 シングルアーム式(ばね上昇 空気下降式)
TPS302×2 TPS302×2
制御方式 VVVFインバータ制御
ブレーキ方式 M車:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重付き)
T車: 渦電流ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重付き)
保安装置 ATC2周波方式



○E926電気軌道総合試験車「イースト・アイ」
  老朽化した925形電気軌道総合試験車の置き換えと1段ブレーキ式となったディジタルATC(DS-ATC)とディジタル列車無線を採用した盛岡〜八戸間や山形・秋田新幹線対応として平成14年4月に運用を開始したE3系をベースにした電気軌道総合試験車です。長野新幹線の60Hzや急勾配にも対応し、JR東日本の新幹線全区間に対応し、営業速度275km/hで総合的な検測ができるようになっています。
  編成は、従来の電気試験車6両+軌道検測車1両の7両編成ではなく、電気試験車5両+軌道検測車1両の6両編成で、軌道検測車以外は全て電動車として2M解放でも長野新幹線の30‰急勾配区間の走行が可能になっています。
  軌道検測車は2台車タイプのE626-3と13の2両あり、定期的に検測装置の調整を行うため差し替えて運用します。
  パンタグラフは、シングルアーム式のものを3台搭載し、新幹線区間ではデータの精度確保のため中央の走行・検測兼用パンタグラフが常に前位になるように2パンタを、在来線共用区間では中央の1パンタを使用するようにしています。上昇パンタのパタン は3通り有り、変更操作は運転室に設けた専用スイッチで行えます。
  信号関係の測定を行う場合はデータの精度を確保するため先頭台車の主電動機をカットして検測データへのノイズの影響を低減するように工夫しています。この時、4M2T相当になりますが、主変換装置の特性を切り換えて加速度は一定に、 ブレーキ制御装置では先頭台車のブレーキ負担割合を低減するように自動的に制御するようになっています。
  異常時の対応として、軌道検測車を特定のE2編成の1〜2号車間に組み込んで走行できるようにも配慮しています。



  E926編成の主な諸元は次のとおりです。
構   成 6両編成 5M1T
電気方式

新幹線区間:交流25,000V 50/60Hz  在来線区間:交流20,000V 50Hz

形   式 E926-1 E926-2 E926-3,13 E926-4 E926-5 E926-6
種   別 M1CM2 T M2M1 M2C
主な機器 CI CompCI Comp CI Comp CI Comp CI Comp
主な計測装置等 軌道検測台車 観測ドーム
測定用パンタ
   
主な用途 信号・通信関係
電車線関係
信号・通信関係 軌道関係
軌道データ処理
電車線関係 電力関係
便所・洗面所
信号・通信関係
電車線関係
空車重量 46.649.6 43.045.4 42.1 48.7
車体寸法 長さ 23.075m(最大) 20.5m(連結面) 22.725m(最大)
2.945m
高さ4.08m パンタ折り畳み高さ:4.29m
最高運転速度新幹線区間:275km/h 在来線区間:130km/h
車体構造 アルミ合金大型押出形材
台 車方式 ボルスタレス方式
軸距2250mm
車輪径860mm 820860
形式DT207A TR8012DT207A
主電動機 三相誘導電動機 連続定格出力300kW(MT205)
集電装置 シングルアームパンタグラフ(3台/編成)
PS206 PS206A
走行、検測兼用
 PS206
制御方式VVVFインバータ制御
ブレーキ方式M車:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重付き)
T車:電気指令式空気ブレーキ(応荷重付き)
保安装置新幹線区間:ATC2周波組合せおよびDS-ATC方式
在来線区間:ATS-P方式、EB-TE装置
列車無線新幹線区間:LCX方式、構内防護
在来線区間:空間波方式、防護、構内

各車両の詳細測定項目等は次のとおりです。

1号車:オーバーラップ、わたり線装置、トロリ線高低差、電界強度、ビット誤り率、基地局特性、ATC軌道回路、信号電流レベル、前方監視
2号車:ATC設備、信号電流レベル、周波数、信号種別
3号車:軌道設備、レールの軌間、高低、水準、輪重、横圧
4号車:トロリ線の摩耗、偏位、高さ、硬点、パンタ衝撃、集電状態監視
5号車:切替無電圧時間、切替総合時間、電車線電圧、電車線電流、
6号車:オーバーラップ、わたり線装置、トロリ線高低差、ATC設備、周波数、信号種別、ATC軌道回路、信号電流レベル、前方監視

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