直流主電動機 | 交流主電動機 | |
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直流電化 | 〔電圧制御〕 抵抗制御 直並列制御 電機子チョッパ制御 〔弱め界破制御〕 界磁チョッパ制御 界磁添加励磁制御 |
VVVFインバータ制御 (すべり周波数制御からベクトル制御へ) |
交流電化 | タップ制御 位相制御 |
位相制御+VVVFインバータ制御 PWMコンバータ+VVVFインバータ制御 |
・ | 変換装置を並列に接続し(多重化)、位相をずらして出力波形を正弦波により近づける。たとえば、2つのコンバータを並列に接続して搬送波の相差運転を行うことで、pを増やせば、高調波の次数が高くなり、高調波の大きさが小さくなります。 |
・ | LCフィルタなどフィルタを設ける。この場合、装置が大きくなる、特定の周波数にしか効果がない場合が多いなどの問題があります。 |
・ | PWM制御を用いることによって高速に制御を行い正弦波に近づける。GTOよりも高速スイッチングが可能なIGBTを用いることによって更にで高調波対策が
進んでいます。パルス幅も一定幅でなく、波形の周辺で狭く中央部で広いパルスとして低次高調波をなくした近似正弦波PWM形が採用されています。
更に、位相を制御して無効電力の補償(力率を1にする)も可能になります。 |
ある時点の電圧と周波数 | ONの時間を短(長)くして、電圧を変える | ON-OFFの間隔を短(長)くして、周波数を変える |
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実際のインバータは右図(単相ブリッジ形インバータの例)のようになっており、スイッチング素子とそれに逆並列に接続されたダイオードで構成されています。
原理図にあるスイッチの作用をするのがパワーデバイスで、GTOやIGBTが使われます。 ダイオードは、電圧と反対方向に流れる電流を流すためのもので、還流ダイオードといわれています。 |
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この制御にはPWM制御が用いられますが、単相のPWM出力電圧波形eは右図のように搬送波(carrier wave)と呼ばれる三角波esと基本波に使用する
信号波(signal wave)と呼ばれる正弦波eoを比較してスイッチング素子をON、OFF することにより得られます。 つまり、
eo>esのとき、T1T4がON(T2T3はOFF)で、e=Ed
このようにすると、正弦波状にパルス幅を変化させることができるため、正弦波PWMと呼ばれ、出力に正弦波を望むインバータの制御に使用されます。
eo<esのとき、T2T3がON(T1T4はOFF)で、e=-Ed インバータ出力電圧波形は、PWM波形ですが、その基本波と電動機内部電圧VMの間にはφMの位相差があり、この両者の差分がLMにかかる電圧で、 結果的にiMで示される出力電流を流します。このVMと交流電流iMが実際にトルクを発生します。 この図からわかるように搬送波(キャリヤ)周波数はPWM波形のスイッチング周波数と一致します。 従って、キャリヤ周波数を上げるだけで最低次の高調波の周波数を上げることができ、出力フィルタの小形化が可能になります。 |
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ここで、正弦波eoの振幅を変えるとPWM波形の基本波の振幅を変えることができます。例えば、eo=0とすれば、eはキャリヤ周波数と等しい方形波となり基本波成分は含まれず、eo=1なら、e=Edとなります。
この値を変調率といい、直流電圧の値、つまり、切り刻まれた交流電圧の波高値に対してどれだけの交流基本電圧が得られるかという割合を示します。 |
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